原因不明の乏精子症で体外受精しか治療方法がない私たち夫婦。
不妊治療専門クリニックのセントウィメンズクリニック、通院開始3周期目にして体外受精前の準備周期に入りました。
体外受精が決まってすぐに採卵できるわけじゃないんだな〜!
体外受精前の準備周期には、
- どんな治療や検査をするのか。
- いくらお金がかかるのか。
私の体験を元に紹介していきます。
体外受精前周期の通院は3回
体外受精前の準備周期の通院は全部で3回。
- 1回目の通院は、生理中。
・子宮腔内細菌検査
・カウフマン療法 - 2回目の通院は、高温期。
・不育症検査
・子宮鏡検査、子宮内膜組織検査 - 3回目の通院は、検査結果が揃ってから。
・体外受精カウンセリング
ひとつひとつ解説していきます。
通院1回目 カウフマン療法で卵巣を休ませる
体外受精前の準備周期の通院1回目は、生理2〜5日目の指定。
診察の内容は、
- 子宮腔内細菌検査
- カウフマン療法
お会計は3240円(保険適用)
子宮腔内細菌検査
子宮腔内細菌検査は、本来無菌の子宮内に細菌が入り込んでないか確認する検査です。
細菌がいると子宮内に炎症を起こし着床環境を悪化させます。また仮に妊娠できても流産や早産の原因になります。
検査は内診台でいつも通り中を診てもらうついでに粘液を採取されるだけで簡単に終わります。
ガードネレラ菌が検出され、ビブラマイシンという抗生物質が処方されました。
カウフマン療法
カウフマン療法とは、一月経周期の中で女性の体内で起こるホルモンの変化を、薬剤を使って人工的につくる方法です。
本来卵巣から出る女性ホルモンを薬剤として服用することで卵巣を休ませ、卵巣内のホルモン環境を整える目的で行います。
カウフマン療法の手順は、
- 月経4〜5日目よりエストロゲン(プレマリンなど)を1日2回、21日間服用。
- 月経14日目よりプロゲステロン(プラノバール、デュファストン、ルトラールなど)を1日2回、12日間服用。①と併用、飲み終わりは同じタイミング。
- 薬を飲み終わると生理が来る。
薬を飲み終わって3日目に生理が来ました。
普段40日前後の生理周期が27日間に!薬ってすごい!
通院2回目 子宮鏡検査・内膜組織検査
体外受精前の準備周期の通院2回目は、生理20日目の高温期。
診察の内容は、
- 不育症検査
- 子宮鏡検査・内膜組織検査
お会計は10740円(保険適用)
不育症検査
不育症検査は血液検査にて。
血液試験管4本分、約20mlの採血でした。
検査項目は、
抗核抗体 | 自己免疫。陽性でも出産してる人は大勢いるが、特定の抗核抗体の場合、体外受精でも受精障害となりうる。 |
血清補体価 | 自己免疫。これが高いと胎児を異物と認識して自己免疫で排除してしまう可能性がある。 |
抗リン脂質抗体 | 自己免疫。血栓ができやすく胎盤に血液が供給されなかったり、胎盤が正常にはたらかず流産してしまう可能性がある。 |
PT、APTT (プロトロンビン時間、 トロンボプラスチン時間) | 血液凝固異常。抗リン脂質抗体によって実際血栓ができやすい状態かを確認する。 |
抗リン脂質抗体が陽性に。。
不育症の要因が見つかってショックです。
仮に妊娠できたとしてもまったく気が抜けません。
とはいえ、
抗リン脂質抗体症候群は不育症の中で唯一治療が可能なものでもあります。
気を落としすぎず、まずは妊娠することに集中します。
子宮鏡検査・内膜組織検査
子宮鏡検査
子宮鏡検査とは、内視鏡(胃カメラのような細いカメラ)を子宮に挿入し、子宮の内面を直接目で観察する検査です。
子宮の形状に異常がないか、超音波では見えない小さいポリープや筋腫がないかを調べます。
子宮鏡を入れるときは生理食塩水を流すので、子宮内が洗い流され着床環境が良くなると言われています。
子宮内膜組織検査
子宮内膜組織検査は、子宮内膜を採取してその組織に異常がないか確認する検査です。
慢性子宮内膜炎の有無を調べます。
子宮内膜採取時の痛みは重い生理痛のような鈍痛。もちろんつらいですが、一瞬で終わるのでまだ我慢できます。
しかし検査後にじわじわ続く苦しみが本当につらかったです。泣
検査後15分ほどベッドの上でゴロゴロ悶絶しました。
検査の手順や感想はこちらの記事で詳しく紹介しています。
子宮鏡検査、内膜組織検査は異常なし。
苦労した甲斐がありました!
通院3回目 体外受精カウンセリング
体外受精前の準備周期の通院3回目は、主治医による体外受精カウンセリング。
カウンセリングはなんと夜22時から!
旦那さんも仕事が終わってから一緒に来られる時間なので個人的にはありがたかったです。
先生はいつ休んでるの!?
カウンセリングでは、
- 私たち夫婦の不妊の要因
- 体外受精の手順と詳しい解説
- 採卵周期が移植には向かない理由
を主治医自ら説明してくれました。
お会計は2200円【自費】
私たち夫婦の不妊の要因
一番の要因は旦那さんの乏精子症。
私側の問題として、脳下垂体のはたらきが弱く排卵に時間がかかる排卵障害。
そして抗リン脂質抗体陽性による不育症の可能性。
乏精子症と排卵障害は体外受精でクリアできるけど、抗リン脂質抗体が移植後どう影響するか不安です。。
体外受精の手順と詳しい解説
脳下垂体のはたらきが弱い私に適した排卵誘発法の選択。採卵→培養→移植までの流れを解説してくれました。
排卵誘発はクロミフェン-HMG/FSH法にて。
ただし脳下垂体のはたらきが弱いので点鼻薬が使えず注射が必要とのことです。
採卵周期が移植には向かない理由
「できるだけ早く妊娠したい!」
はやる気持ちはあれども、採卵直後の新鮮胚移植の妊娠率は、凍結胚移植に比べて低い。
というのも、
本来は一月経周期につき卵子1つが成熟し、その卵子からエストロゲン、プロゲステロンがそれぞれ適正量分泌されるところ、
採卵ではたくさんの卵子を同時に成熟させるので、卵子の一つ一つがホルモンを分泌し、ホルモン量が通常の数倍以上に膨れ上がってしまいます。
適正なホルモン量、ホルモンバランスでなければ、移植しても妊娠には結びつきにくいのは当然ですよね。
また採卵時に卵子を卵胞ごと採ってしまう関係で卵巣に黄体が残らず、採卵後にプロゲステロンが正常分泌されないのも問題だそうです。
プロゲステロンのはたらきは、
- 高温期の基礎体温を上げること。
- 子宮内膜を着床に適した状態に整えること。
- 着床(妊娠)後は妊娠を継続させること。
つまりプロゲステロンが少ないと、仮に移植しても妊娠を維持できない可能性があるということ。
早く妊娠したい気持ちはあれど、成功率が低い周期に大事な受精卵を使うべきではない。
こちらの妊娠に焦る気持ちを理解した上で、納得のいく説明をしてもらえたと思います。
カウンセリングは40分くらい。
夜遅くまで親身に向き合ってくれて感謝です!
まとめ
- 体外受精準備周期の通院は全部で3回。
①カウフマン療法で卵巣を休ませる
②子宮鏡・内膜組織検査、不育症検査
③主治医による体外受精カウンセリング - 治療と検査は保険適用、13980円。
カウンセリングは自費、2200円。
合計16180円。
体外受精が決まってもすぐに採卵できるわけではないこと。
採卵したとしてもすぐに移植して妊娠できるわけではないこと。
体外受精前の準備周期で、しっかり説明し納得させてもらえました。
妊活を始めて8ヶ月。
自然妊娠なら毎月チャンスがあるのに、体外受精では採卵準備、採卵、移植と最低でも3周期かかってしまうことにもどかしさは感じつつも、着実に治療が進んでいるのは嬉しく感じています。
周りの人たちの当たり前みたいな妊娠出産に羨ましさも焦りも感じるけど、
私は私の人生にだけ向き合って治療に取り組みます。
この採卵で必ず妊娠するぞー!おー!
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