不妊治療を終えて〜人生で一番つらい時間だった〜

不妊治療
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SNSの不妊治療アカウントでは

判定日陽性でフェードアウト、
8w2度目の心拍確認でクリニック卒業、
マタニティアカウントへ移動という人
が多かった。

不妊治療の卒業っていつなんだろう?

妊娠検査薬で陽性がでたら?
クリニックを卒業したら?
出産したら?

きっと人によって違う。

少なくとも、私にとっては、

出産するまで
不妊治療を卒業できたとは思えなかった。

稽留流産、化学流産、着床不全

移植④で初陽性。

すごく嬉しかったけど

また心臓が止まっちゃうんじゃないか、
お腹の中でしんじゃうんじゃないか、

ずっとずっと不安だった。

出産して半年、
ようやく精神的に落ち着いた今、

不妊に支配された2年2ヶ月を振り返ってみる。

人生で一番つらい時間だった。

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人生で一番つらい時間だった

不妊治療が辛いというよりも、

そもそも不妊の時点でつらい。

まわりは簡単に妊娠していくのに
どうして私だけ。。

このまま子どもができなかったらどうしよう。

私の人生は今後どうなるの?

明るい未来が想像できない。

頭の中は常に不安で支配される。

治療を進める間にも年齢は重ねるし、

年齢を重ねる度に妊娠しにくくなるし、

リスクも上がる。
(流産・死産、合併症、先天性疾患等)

焦燥感もすさまじい。

極めつけに
不妊治療は当事者にできる努力が一切ない。
(※主治医の指示どおり受診服薬するのは前提)

身体を冷やさないように
真夏でも腹巻き靴下を着けて、

ノンカフェインの温かいお茶を飲んで、

適度な運動と栄養バランスに配慮した食事、
毎日の入浴、充分な睡眠で生活習慣を整え
たって、

治療の成功率には一切寄与しない。

通院で有給を取る度上司から嫌味、
面倒な仕事を押し付けられ、
(弱みがあるから断れない)
(上司は現場に出ず事務室にこもって社用PCでYouTube見ながらスマホでドラクエやってる。クソ。)

それでも一生懸命仕事して。

後輩の面倒見て、子持ちの同僚気づかって、

こんなに毎日がんばってたって、

神様はほほえまないし、神なんていない。

児童虐待や乳児遺棄する人間でも妊娠する。

日頃の行いとか徳を積むとか一切関係ない。

じゃあもう何が悪いんだよ。存在?
私がこの世に生まれた時点でダメだった?
生まれつき不妊の欠陥品だった?
今までの人生も努力も最初から全部無駄
だった?

自暴自棄になって、自尊感情ダダ下がり。
もう死のうかな、なんて。

それでもまだ希望を捨てきれないから、

なんとか生きてた。

前向きでいようとがんばった。

何かしてなきゃ落ち着かないから
治療記録を書き始めた。

だけど流産して手術して、

ダウンタイムをやり過ごして、

のぞんだ移植②がまた流産で、バッキリ。

前向きでいるのも、
治療記録を書くのも、

何をやっても無駄だと感じた。学習性無気力。

それからはもう何も頑張らず、

ただ生きてた。

死ぬ勇気がないから、生きてた。

ただそれだけ。   

世間に理解がない

不順はあれど生理は来ていたし、
検診で異常を指摘されたこともなし。

自覚症状はなく健康そのもの。

自分が不妊なんて考えたこともなかった。

不妊に悩む夫婦は5.5組に一組。
全体の約18%、マイノリティ。
逆に言えば約82%は不妊と無縁。

つまり世間の約8割は、

不妊を考えたこともなければ、
妊娠して当たり前という感覚。
(もち
ろんそんな人ばかりじゃないけど)
(でもきっと私もそんな感覚だった)

だから無神経な言葉が平気で飛び出す。

「子どもはまだ?」
「次は子どもだね!」
「体調不良…ひょっとして妊娠?」
「子どもは早めに産んだ方がいいわよ」

その言葉が不妊当事者をひどく傷つけるなんて
思いもしない。

言われなくたって分かってる。

子どもがほしくて、でもできなくて、
だから治療してて、それでもできなくて。

不妊であることが、どうしようもなく
コンプレックスで。

誰からも触れられたくないのに、

当たり前に妊娠した人にとっては、
他人も妊娠して当たり前。

だから平気で他人の生殖事情に触れてくる。

普通にセクハラなのに、
女同士だからセクハラじゃないわよね?
ってずうずうしさで。

悪気がないのも分かってる。

でもコンプレックスには触れられたくない。
誰にも知られたくない。
無神経なやつには特に知られたくない。
言いふらされたらどうしよう。

急に無神経に踏み込まれて動揺して、
急にコンプレックスを刺激されて傷ついて、
「私不妊で〜」なんて絶対言いたくなくて。

だから曖昧な言葉でお茶を濁して
なんとか逃げる。

「あはは…子どもは授かり物なので」

たいてい「事情があるんだな」って察するけど
(聞いてくる時点で無神経だけど)
厄介なやつは違う。

明確な回答が得られなかったことを
不満に思う。

そして本人ではなく他人に愚痴る。

「せっかく私が気づかってやったのに
なにあの態度」

厄介なやつが愚痴る先もまた厄介なやつ。

「不妊なんじゃない?」
「あんな態度だから不妊なんでしょ」
「はいはい不妊様不妊様〜」

いやもう、本当に最悪。

不妊の時点でだいぶ傷ついてるのに、

不妊であるがために社会的な二次被害で
さらに傷つく。

女社会の二次被害だけじゃなく、

「不妊は病気じゃないから」って
通院のための早退・有給で嫌味を言われるのも
社会的な二次被害。

この二次被害、
全部不妊に対する世間の理解のなさから
来てるよね。

不妊の人の気持ちなんてわからないよね。
世の中不妊じゃない人の方が多いもんね。

妊娠できるのが普通で、
不妊は普通じゃないもんね。

自分と違って普通じゃない人のことは
わからないから、わかる範囲で勝手に
レッテルを貼って理解した気になるん
だよね。

自業自得。
そんな歳まで遊んでたからでしょ。
そんな態度だからバチが当たったんだ。

この世間の理解のなさで
さらに傷つけられるのが本当につらかった。

こういう話をすると

勝手に劣等感抱いて、
勝手に被害妄想で自爆してるだけだろ。

っていう人も出てくる。

実際、被害妄想はあったと思う。

不妊というコンプレックスを
他人に刺激されたくなくて、
勝手に他人(特に子持ち)に対して
ビクビク怯えてた部分はあったと思う。
それは認める。

でも結局現実になってるからね。

被害者と加害者、第三者。

不妊当事者と無神経な人、
インターネット世論。

インターネット世論による不妊叩きは
三次被害だと思ってる。

結局全部不妊に対する理解のなさの問題
だよね。

不妊の気持ちは当事者にしか分からない。

 

結局お前は授かったんだろ?

「自分が不妊治療当事者だったからこそ、
今現在不妊でつらい思いをしている人の
気持ちが分かる。」

って言いたいんでしょ?

でも結局お前は授かったんだろ?

結局授かったやつに現在進行形で
不妊で傷ついてる人間の気持ちなんて
分かるわけないだろ。

綺麗事言ってんじゃねぇよバーカ。

って気持ち、めっちゃわかる。

なおんご
なおんご

めっちゃわかる。

私も不妊が発覚したとき狂ったように
不妊治療ブログを読み漁った。

生の情報がほしかった。

不妊治療の成功体験談がほしかった。

本当にありがたかった。

不妊に悩んでいるのは自分だけじゃない
という安心感を得られた。

自分と同じ境遇の人が
今では一人二人と子どもを授かって
幸せに暮らしてると言う事実が
私に希望を与えた。

本当にありがたかった。

その一方で
「結局お前は授かったんだろ?」
って気持ちにもなった。

今私のブログを読んでくれてる人の中にも
同じ気持ちの人居ると思う。

全然そう思ってくれてかまわない。

クリニックが公開している

「うちのクリニックは
こんなに良い実績です!」
(だからうちでお金落としてね!)

みたいな広告を兼ねた都合の良い情報は
疑わしくって、

だから不妊治療経験者が公開する
実際受けた治療内容と結果みたいな
信用と共感ができる情報をほしがるくせに、

治療の結果妊娠しました!

って目にした途端「お前は私と違う!」
ってなっちゃうの、めっちゃ天邪鬼。

そんな自分が嫌になるよね。

なおんご
なおんご

でも、めっちゃわかる。

自分が手に入らないものを他人が簡単に手に
入れていたら複雑な気持ちになるのは普通。
(不妊治療の時点で全然簡単じゃないけど)

だからある程度仕方ないって
自分を許してね。

自分の中で開き直るくらい
全然いいんだからね。

だから私のことは全然
「結局お前は授かったんだろ?」
って思っていいからね。

でも授かるまでの過程で、
今あなたが直面している葛藤があったこと、
(他人を羨む、嫉妬にも似た燃えるような感情、どうして私だけという悲観、このまま子どもができなかったら、未来が見通せない不安、流産や着床不全で生理が来るたびに感じた絶望、治療に費やした時間もお金も無駄にした無情感、私のせいだと自分を責める自傷感情。重くて真っ黒で頭を掻きむしって自暴自棄でヒステリックな感情と真っ暗な未来しか見えない、そんな)
灰色の毎日をなんとか生きてやり過ごした時間
があったこと、忘れないでほしい。

 

不妊治療中の自分は最低だった?

不妊治療を終えて、
当時の自分を振り返った人が

「当時の自分は、友達の妊娠出産を祝えない
最低な人間でした」

って発言していることがある。

あれ心の底からやめてほしい。

今も一生懸命がんばってる人が
「自分って最低なのかな」とか
「最低だから授かれないのかな」
って思っちゃうじゃん。

「不妊治療で辛かった私」を完全に過去
にした人だから言えることじゃん。
今の自分は違いますけど?って。

不妊治療経験者な分タチが悪い。

最低じゃないよ。

いくら相手が大切で大好きな友達でも、

自分が手に入らないものを他人が簡単に手に
入れていたら複雑な気持ちになるのは普通。

「友達だから祝ってあげなくちゃ!」

でも心は裏腹にショックで言葉がでない。

ああでも目の前の妊娠報告に
「おめでとう」って言わなくちゃ。
マタニティトークに付き合ってあげなきゃ。
友達を喜ばせてあげなくちゃ。

そんなあなたはめちゃくちゃえらい。
優しいいい子。本当によくがんばった。

でも、

心にもない言葉を口に出すのは
自分に嘘をつくのと同じ。

自分に嘘をついた分、傷つくのは自分。

そして自分に嘘をつかせた友達のことも
ちょっぴり嫌いになる。

自分で自分を傷つけてどうするんだ。

自分でしか守れない自分もあるよ。

自尊感情って言うんだけど。

「おめでとう」さえ言えれば、
それ以上聞かなくていいからね。
ちょっと距離をおこう。

不安と劣等感と被害妄想で
爆発しそうな感情を抱えながら
灰色の毎日を生きてやり過ごしてるだけで
充分偉い。

生きてこの時間をやりごせたら勝ちだからね。

自分で自分を守ってるだけ充分偉い。

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今でもマタニティマークは苦手

妊娠したら、急に道行く妊婦や子連れが増えた
ように感じるってよく聞くじゃん?

アレ不妊でもそう。

自分が不妊って分かった時から、いや、
妊活始めて、でもなかなかできなくて
って時から妊婦が増えたように見えて
仕方がなかった。

電車で街中で、
マタニティマークが目につくたび

「ああいいな」
「こんなにたくさんいるのに」
「なんで私だけ」って落ち込んだ。

落ち込みたくないから、傷つきたくないから、
できるだけ見ないようにした。

なーんて
裏腹にめちゃくちゃ意識してるから
すぐ気づいちゃうんだけどさ。

マタニティマークを見るたび
(勝手に)傷ついてた時間が長かったから、
いつの間にかマタニティマーク自体が
苦手になってた。

結局最後までつけられなかった。
(ほぼ入院してたのもある。)

出産した今でも、
マタニティマークはまだ苦手。
コンプレックスは今もある。

結局、うらやましいんだよね。

私もマタニティマークつけたかったな。

ひらひらのリボンがついた、
かわいいロゼットのやつ。

小学生になったらランドセル!みたいな感覚で
妊娠したらマタニティマーク!みたいな。

何も知らず当たり前でいたかった。

コンセプトが悪い

妊娠初期は赤ちゃんの中枢神経や内臓、
目や耳などの感覚器が作られる大事な時期。

一番流産リスクも高いし、
つわりで体調も悪い。
本当に大変で一番大事な時期。

でも、他人からは一切わからない。

だからマタニティマークを表示して
周囲の配慮を促しましょう!

引用:
厚生労働省 マタニティマークについて

コンセプト悪いなぁ。

マタニティマークの存在意義が
他力本願なのがなぁ。

他力本願だから

「マタニティマークつけてるのに
誰も席をゆずってくれなかった!
これだから日本は!」

みたいな声も出てきちゃう。

印象悪い一部の妊婦は除いて、
大多数の妊婦は、自分に何かあったとき、
意識不明の重体で病院に搬送されたとき、
妊娠していることに気づかれず、妊婦禁忌の
検査や薬を投与されないように表示してる
ってどこかの記事で読んだ。

お腹の子の安全を考えてるだけなんだって。

コンセプトと当事者の目的にズレがあるよね。

だから国主体で変えてほしい。

マークの主目的を
救急時の妊婦とお腹の子の安全のため
としてほしい。

情報提供の目的で裏にかかりつけの病院と
主治医、出産予定日、特記事項の欄を
もうけて表示を義務づけてほしい。

周囲の配慮を促すのは
副次的な扱いにしてほしい。

マタニティマークの表示が義務なら、
不妊経験者の一個人として、
複雑な気持ちになっても
「表示は義務だもんね」
ってやり過ごしやすいと思う。

煙たがれないマークにしてほしい。

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不妊にも妊娠にも温かい人でありたい

不妊治療も流産も妊娠も経験した
私だからこそ、不妊と妊婦、
どちらの気持ちもわかる。

「不妊を経験してよかった♡」
「不妊を経験したからこそ今の私になれた♡」

みたいなキラキラなことは全然思えない。
普通に経験したくなかった。

でも結果、どちらも経験したからこそ
得た感情や思考がある。

不妊にも妊娠にも温かい人でありたい。

具体的には、

  • 他人の生殖事情に触れない
  • 誰に対してもフラットでいる

かなぁ。

  • 他人の生殖事情に触れない

これは言わずもがな。

「子どもはまだ?」
「次は子どもだね!」
「体調不良…ひょっとして妊娠?」
「子どもは早めに産んだ方がいいわよ」

悪気のない無神経な言葉に傷ついてきたから、

妊娠は当たり前じゃないって
身にしみて知っているから、

今悩む人を同じ目に合わせたくない。

今度は自分が言わないように気をつける。

「妊娠大変よねぇわかる私も〜」

みたいな自分語りもダメ。
(上記は話題泥棒的にもダメ。)

子持ち女性にとって妊娠出産は人生最大の
成功体験と言って過言じゃない。

誰でも自分の成功体験を語るのは気持ちいい。

でもおっさんの自慢話しかり、
聞いている側は気持ちよくないので
肝に銘じておく。

あと不妊や妊娠を経験すると

卵子、精子、子宮口、おっぱい

この手のワードに抵抗感が一切なくなるけど、
外では普通にセクハラだから気をつける。

なおんご
なおんご

女同士だからってセクハラすんな
って話やな。

  • 誰に対してもフラットでいる

これは不妊や妊娠、その他コンプレックスを
公表した人に対して、

レッテルを貼らず一人の人間として
普通に接したい
ってこと。

妊婦だからちやほやして
四六時中妊娠出産に関する話ばかりしたり、

不妊だから腫れ物に触れるかのように
扱ったりしない。

私は不妊治療公表してなかったけど、
生殖事情を詮索されるのすごく嫌だった。

妊娠を公表したら、よってたかって
大勢の前であれこれ聞き出されるのも
すごく嫌だった。

(自分が不妊治療中の外野だったら
その場から消えたくなるから。)

(妊娠して当たり前って価値観なら
嬉しいものなのかな。わからない。)

そんな中、不妊で鬱々としていたときも、
妊娠公表したあとも、

いつもと変わらず接してくれた人の存在に
何より救われた。
(妊娠公表後は二人きりの時に祝って
色々聞いてくれた。好き。)

いつもどおり普通にフラットに。

それが結局不妊にも妊娠にも
一番温かいんじゃないかなって思う。

生殖事情に関わらずあなたはあなた

ってメッセージになるんじゃないかな
って思う。

「不妊」「妊娠」「コンプレックス」

レッテルの先入観で相手によって
態度や話題は変えない。

誰に対してもフラットで裏表のない人で
ありたい。

 

一個人としては上記のふたつ。

もうひとつ
不妊治療とそのつらさについて啓蒙
していきたい。

不妊について知る機会がどこにもないのが
世間の無理解につながってると思うから。

知識があれば気づけること、気づかえること、
優しくなれること、あると思うから。

不妊治療の詳細やそのつらさ、
体験談、周囲の人にできること、
インターネット、SNS、なんらかの形で
発信し続けて行きたい。

 

不妊で一次的に傷つくのは避けられない。

せめて二次的、三次的、社会的に傷つくことの
ない世の中になりますように。

今はつらくても最後には必ず、
必ず子どもを授かりますように。

子どもを授かって幸せな家庭で、
幸せな人生を過ごせますように。

子どもを望むすべての人の幸せを心の底から
願っています。

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